こんにちは、ドクレイです。アイキャッチ画像は、牛乳のイラストです。ダイエットするために、体重を落とすために、脂肪・脂質の食べる量を減らす。だから低脂肪の牛乳を飲んでいる、脂質が少ないものを選んで食べている、そのような食生活をしていませんか?
そもそも、脂質を減らすとダイエットができるのでしょうか。脂質を減らすと体重が落ちるのでしょうか。また、ダイエットにおいて「食べる量を減らしなさい」という言葉もよく耳にします。食べる量を減らすとダイエットができるのでしょうか。食べる量を減らすと体重が落ちるのでしょうか。食べる量は、カロリー(Kcal)に数値化できます。食べる量を減らすというのは、食べるカロリー・数値を減らすことです。
脂質は三大栄養素の1つです。三大栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質の3つです。三大栄養素の、1gあたりのカロリーをご存知でしょうか。炭水化物とタンパク質は1gあたり4Kcal。脂質は1gあたり9Kcalです。見てわかるように、1gあたりのカロリーが最も高いものが脂質です。最もカロリーの高い脂質の食べる量を減らすとカロリーが減る。脂質を減らして、カロリーを減らして、ダイエットができる。最もわかりやすいダイエットの方法ですね。また、「食べる脂質=蓄積される脂肪」ではありません。ここでは深く言及しませんが、「蓄積される脂肪=余分な炭水化物・糖」です。もう一度言います、「食べる脂質は、蓄積される脂肪ではありません」。
今回は低脂質食や低カロリー食の栄養指導がダイエットに効果があるのかを7年以上にわたり検討した論文を読んでみます。まずは、結論です。
低カロリー食では、体重は減らない。
低カロリー・低脂質食では、体重は減らない。
では、論文を詳しく見ていきます。
論文の紹介
タイトル:Low-fat dietary pattern and weight change over 7 years: the Women’s Health Initiative Dietary Modification Trial
ジャーナル:JAMA
発表年:2006
URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16391215/
どのような人が参加したか
この論文は2006年に発表された論文です。平均年齢62歳で、約50,000人もの女性が参加した研究です。しかも、観察した研究期間はなんと7年以上にもなります。
どんなことをしたか
約50,000人の女性を2つのグループに分けました。一つのグループは、栄養指導の教科書を配布しただけのコントロール群。もう一つのグループは、食事や健康に関するグループセッションを何回も行う食事指導群です。食指指導の具体的な内容は次の3つです。
- 脂肪の割合を減らす
- 炭水化物の割合を増やす
- 野菜とフルーツは積極的の食べる
つまり、コントロール群は食べる量・カロリーを減らす。栄養指導群は、食べる量・カロリーを減らし、かつ脂肪の割合を減らすように指導をされたわけです。従来の「食べる量を減らしましょう」か「食べる量や脂質を減らしましょう」の2つというわけです。
結果① 食事内容の変化
コントロール群と、栄養指導群の食事内容はどのように変化したのかを見てみます。まずはコントロール群からです。コントロール群は、摂取カロリーが約240Kcal減りました。食べた脂質の割合や、炭水化物の割合に変化は見られませんでした。つまり、コントロール群は、全体の食べる量を減らして摂取カロリーを減らしたわけです(=食べる量を減らしましょう)。次に栄養指導群もみていきます。栄養指導群は、摂取カロリーが約360Kcal減りました。しかも、食べた脂質の割合は約9%減り、食べた炭水化物の割合が約8%増えました。さらに、食物繊維や果物の割合も増えていました。つまり、栄養指導群は、脂質の量を減らして、摂取カロリーも減らしたわけです(=食べる量、脂質を減らしましょう)。
結果② 1年後と7年後の体重の変化
コントロール群、つまり低カロリー食を行った人たちは、1年後に体重は減りませんでした。7年後に体重は0.1kgだけ減りました。しかし、ウエストは1.9cm増えました。つまり、食べる量を減らして、カロリーを減らしても、体重は減らないのです。
次に、栄養指導群、つまり低カロリー・低脂質食を行った人たちの結果をみてみましょう。1年後に、なんと体重は2.2kg減りました。やったー、低カロリー・低脂質食は間違っていないだと思いましたか。7年後を見てみましょう。7年後に体重は、リバウンドして、結局0.8kgのみ減っていました。ウエストは1.6cm増えました。つまり、カロリーを減らして、脂質を減らしても、体重は減らないのです。
いかがでしたでしょうか。何度も繰り返しますが、食べる量を減らす、脂質を減らす、では体重は減りません。低カロリー食、低脂質食は間違ったダイエット方法、減量方法である可能性が高いです。多くの人が言います。「バランスのよい食事をしなさい」、「食べ過ぎはよくない」、「三食しっかり食べなさい」。本当に正しい食事方法とは何なのでしょうか。健康資産・Healthful Assetsでは、そのような疑問に、これからも真摯に向き合っていきたいと思います。
健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つより成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に健康資産を運用しませんか。
全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクれいでした。それでは、また。