画像はグリルドサーモンの写真です。良質な脂質であるω3脂肪酸をたっぷり含んだサーモンを、同じく良質な脂質であるω9脂肪酸をたっぷり含んだオリーブオイルで焼き上げる。そして、葉物野菜をたっぷり添えて出来上がり。
グリルドサーモン、朝食にいかがでしょうか。「朝は料理をしている時間なんてないよ。でも、朝ごはんを食べないと太るから、コンビニで簡単に済ませているよ。」このような方、結構いるのではないでしょうか。そもそも本当に朝食を食べないと太るのでしょうか。朝食は英語でBreakfastです。Breakは「壊す」を意味し、Fastは「絶食」や「断食」を意味します。つまり、Breakfastは「絶食していることを断つ」という意味です。私たちは、毎日絶食をしています。夕飯を食べてから次の日の食事まで、何も食べませんよね。その絶食を終了する食事がBreakfastであり、Breakfastが朝ではなくて、昼でもいいんです。
こんにちは。ドクれいです。今回は、朝食の有無と体重変化についての論文を読んでみます。まずは、結論です。「朝食を食べないと太る」は間違い、これですね。もっと詳しく知りたいという方は、下記のリンクより本文をチェックしてみてください。では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。
論文の紹介
タイトル:The effectiveness of breakfast recommendations on weight loss: a randomized controlled trial
ジャーナル:The American Journal of Clinical Nutrition
発表年:2014
URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24898236/
朝食の有無と体重~これまでの問題点~
親からも、夫からも、妻からも、テレビCMからも、国からも、言われます。また、かかりつけのお医者さんや、栄養士さんからも、言われます。「1日3食、バランスよく食べなさい」、「朝食を食べないと太りますよ」、決まり文句ですね。
たしかに、観察研究という方法では、朝食を食べていない人の方が、朝食を食べている人より、太っているという報告があります。しかし、これは「朝食を食べない=太る」という因果関係を示しているものではありません。
1日3食食べないといけない、朝食を食べないといけない、これらの決まり文句で儲かる人たちがいます。それは、手軽な朝食を作る会社であったり、手軽な朝食を売ったりする会社です。手軽な朝食とは、菓子パンであったり、冷凍食品であったり、シリアルなどです。砂糖たっぷりの菓子パンや、消費期限が長くなるように加工された食品を食べていると、生活習慣病を発症します。そうすると病院やお医者さんも儲かりますね。みんなが、誰しもが、このように言います。「1日3食、バランスよく食べなさい」、「朝食を食べないと太りますよ」。
朝食を食べるように or 食べないように指導した
この研究には、もともと朝食を食べない147人と、朝食を食べる162人の合計309人が参加した研究です。309人の参加者を、次の3つのグループに分けました。
- A:コントロール(健康的な食事についてパンフレットを渡す)
- B:朝食を食べるように指導
- C:朝食を食べないように指導
の3つのグループです。研究の期間は16週間(約4か月)です。
結果→朝食の有無は体重に影響を与えない
もともと朝食を食べる162人の結果です。もともと朝食を食べるのに、食べなくなったら体重はどうなるでしょうか。今までの「朝食を食べないと太る」が正しければ、太るはずですよね。もともと朝食を食べる人が、食べないようにしたら、4か月後に体重は0.71kg減少していました(下図C)。太りませんでした。
もともと朝食を食べない147人の結果です。もともと朝食を食べない人が、食べるようになったらどうなるでしょうか。今までの「朝食を食べないと太る」が正しければ、食べるようになったら痩せるはずですよね。もともと朝食を食べない人が、食べるようになったら、4か月後に体重は0.76kg減少していました(下図B)。朝食を食べるようになったら体重が減ったじゃないかと言われそうですが、もともと朝食を食べない人が、そのまま食べないことを続けても、4か月後に体重は0.61kg減少しているんです(下図C)。つまり、朝食の有無が体重に影響を与えていないんです。
「朝食を食べないと太る」は間違い
今回は、朝食の有無と体重変化についての論文を読んでみました。結論です。「朝食を食べないと太る」は間違い、これですね。
忙しい現代の朝に、お腹が空いていないのに、朝食を食べないと太ると言われているから朝食を食べいる。そのような生活をしている貴方に是非知っていただきたい内容です。しかも、忙しい、時間のない朝の食事は、健康資産、食事資産に負の影響を与えるものが多いです。長期間保存ができる食品、ショートニングやマーガリンを使ったパン、砂糖を使った菓子パン、たくさんの添加物の入った冷凍食品などです。狩猟採集時代では朝起きたら食事が用意されている、なんてことはなかったと思います。冷蔵庫や冷凍庫、コンビニやスーパーがなかった時代も、朝食を食べることが当たり前ではなかったはずです。天然の食品、自然に近い食品を朝から食べることができればよいかもしれません。朝食を食べるならば、冒頭で紹介したグリルドサーモンとたっぷりの野菜などの天然の食品、自然に近い食品を食べましょう。また、お腹が空いていない場合には無理して食べなくてもいいんです。
健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つより成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に健康資産を運用しませんか。ドクレイでした。それでは、また。