こんにちは。ドクレイです。”ココアやチョコレートは身体にいい”って聞いたことありませんか。今回は、ココアやチョコレートのダイエット効果についての論文を読んでみました。メタ解析の論文で、ココアやチョコレートの摂取が体重に影響を与えるかどうかを研究しています。
まずは、結論です。
「ココアやチョコレート摂取に減量効果は認められかなった!!」
これですね。もっと詳しく知りたいという方は、下記のリンクより、論文の本文をお読みください。では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。
論文の紹介
タイトル:
Does cocoa/dark chocolate supplementation have favorable effect on body weight, body mass index and waist circumference? A systematic review, meta-analysis and dose-response of randomized clinical trials
ジャーナル:
Critical Reviews in Food Science and Nutrition
発表年:2019
URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29553824/
この論文を読んでみるにあたって、いろいろ気になるキーワードがありました。簡単に調べたので、まとめておきます。
それは、
- ココアとチョコレートとの違いはあるの?
- ココアは何が身体にいいの?
- ファイトケミカルって何?
それぞれを説明していきます。
ココアとチョコレートとの違い
そもそもココアとチョコレートとの違いって何だっけ?。同じ?。違う?。そのように思っている方もいるのではないかと思います。ココアもチョコレートも、カカオ豆から作られる製品です。カカオ豆の胚乳部分(これをカカオニブと言います)をすりつぶしたものが、カカオマスです。カカオマスには、油脂成分(これをココアバターと言います)が含まれており、油脂成分を絞り出し、パウダー状にしたものがココアです。一方、チョコレートは、カカオマスに、ココアバターをさらに加え、砂糖やミルクを加えて固形にしたものです。カカオ成分が70%以上のものを、特にハイカカオチョコレートと呼びます。
ココアは何が身体にいいの?
ココアやチョコレートが身体にいい理由。それは、ココアにはカテキン、エピカテキン、プロシアニジンが多く含まれているからです。カテキンやエピカテキン、プロシアジニンは、フラバノール類です。このフラバノール類を含む食品には、体重減少効果があることが報告されています。その正確なメカニズムは不明ですが、次の5つが言われています。
- インスリンの感受性がよくなり、体重が減る
- 脂肪合成に関わる遺伝子発現を低下させる
- 熱を発生させたり、消費エネルギーを増加させる
- 食欲の抑制(満腹ホルモンであるGLP1の増加。空腹ホルモンであるグレリンの低下)
- 消化酵素に対する効果
ファイトケミカルとは
フラバノール類って何?。と思われたと思います。フラバノール類は、フラボノイド系に属するポリフェノールです。私もよくわからなくなってきました。
まずは、ファイトケミカルから説明させてください。ファイトケミカルは、フィトケミカルとも呼ばれます。英語ではPhytochemicalと表記され、”phyto”とはギリシャ語で植物を意味します。つまり、ファイトケミカルとは、野菜や果物などの植物に含まれる化学成分のことです。
ファイトケミカルは、植物にとって有害なもの(例えば動物や昆虫など)から自身を守るために作り出されたもので、色素や香り、苦味、辛味、アクなどの成分になります。なぜ、ファイトケミカルが注目されているのか。それは、抗酸化作用があるからであり、さらに代謝への影響、免疫への影響、脳機能への影響も期待されています。
ファイトケミカルで有名な成分は、ポリフェノールです。その他に、カロテノイドや含硫化合物などもあります。話が戻りますが、ポリフェノールの中に、フラボノイド系、フラバノール類があり、そしてカテキン、エピカテキン、プロシアニジンがあります。つまり、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンはポリフェノールの一種であり、ファイトケミカルなのです。要するに、ココアはたくさんのファイトケミカルを含んだ食品である、というわけです。
論文の内容
論文の内容について解説していきます。ココアやチョコレートが身体にいいと言われていますが、体型に与える影響ははっきりしていません。それを調べるために行った研究です。メタ解析を行い、35の研究(RCTという質の高い研究です)を抽出しました。そして、ココアやチョコレートが体重、BMI、ウエスト周囲径に与える影響を調べました。
結論は、ココアやチョコレートに減量効果はない。ココアやチョコレートを摂取しても、体重は減らず、BMIは減らず、ウエスト周囲径も減りませんでした。
この論文の結論としては、ココアやチョコレートに減量効果は認めれらないということです。一方で体重やBMI、ウエスト周囲径が増えてもいませんでした。ココアは、上に書いたようにファイトケミカルであるポリフェノール(カテキン、エピカテキン、プロシアニジン)を多く含んだ食品です。減量するための食品ではありませんが、ファイトケミカルを豊富に含んだ健康食品であることは間違いないと思います。いかがでしょうか。
健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つの資産より成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に、そして正しく健康資産を運用しませんか。全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に正しく運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクレイでした。それではまた。