こんにちは。ドクれいです。
健康資産を意識的に運用していますか。
今回は、前回に引き続き食事資産における論文を読みます。
論文タイトル
The effectiveness of breakfast recommendations on weight loss:
a randomized controlled trial
発表年:2014年
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24898236/
基礎編では、シンプル、かつ、わかりやすく!!
応用編では、より深く、詳細に!!
健康資産に関連する論文を読みます。
前回は基礎編として、簡単にまとめてあります。
気になる方は、ぜひ参考にしてください。
「朝ごはんを食べないと、体重が・・・ 基礎編」 https://healthful-assets.com/breakfast-20210813/
パッと読むための目次
どのような研究か?(Problem・問題点)(Object・目的)
一般的には、朝食をしっかり食べることは、体重減少に繋がるとされています。
しかし、問題点があります。
問題点:「朝食を食べる=体重が減る」は正しいのか。
そのために、この研究は次のことを目的としています。
目的:朝食摂取の有無による体重減少効果を明らかにする。
どのような方法か?(Subject・対象)(Comparison・比較)
20~65歳で、BMIが25~40の健康な成人、283人を対象とした研究です。
研究期間は16週間で、多施設で行われたRCTです。
283人は、
「もともと朝食を食べないグループ」と
「もともと朝食を食べるグループ」との2つのグループに分かれます。
それぞれのグループで、
- コントロール(アドバイスのみ)
- 朝食あり(10時までに健康的な食事を食べる)
- 朝食なし(11時まで食事を食べない。水またはゼロカロリー飲料のみ)
の3つの指導を行い、16週間、普通の生活をしてもらいます。
つまり、283人は、
- もともと朝食を食べない+コントロール
- もともと朝食を食べない+朝食あり
- もともと朝食を食べない+朝食なし
- もともと朝食を食べる+コントロール
- もともと朝食を食べる+朝食あり
- もともと朝食を食べる+朝食なし
の6つグループに分かれます。
指導前の体重と、
16週間後の体重とが、
どの程度変化したのかを調べました。
朝食摂取の有無は、体重に影響を与えない(Conclusion・結論)
結果はどのようになったと思いますか?
「朝食を食べないと太る」、という今まで通りの考えが正しいならば、
もともと朝食を食べない+朝食あり
のグループは体重が減りそうですよね。
また、
もともと朝食を食べる+朝食なし
のグループは体重が増えそうですよね。
実際の結果を見てみましょう。
16週間後の体重変化は、
- もともと朝食を食べない+コントロール -0.71kg
- もともと朝食を食べない+朝食あり -0.76kg
- もともと朝食を食べない+朝食なし -0.61kg
- もともと朝食を食べる+コントロール -0.53kg
- もともと朝食を食べる+朝食あり -0.59kg
- もともと朝食を食べる+朝食なし -0.71kg
でした。
つまり、
朝食を食べても、食べなくても、体重に与える影響はなかったのです。
この研究のLimitationとして、次のようなことを挙げています。
- 20~65歳を対象としたもので、子供や青年を対象としていない。
- 朝食において特定の栄養素を検討したものではない。
いかがでしたでしょうか。
「朝食を食べると痩せる」
「朝食を食べないと太る」
というのは間違いである可能性があります。
少なくとも言えることは、
大人において、
「朝食を食べないと太る」ということを妄信しているがために、
お腹が空いていないのに、朝食を食べる。
は、正しくない、ということだと思います。
食事資産における論文を読んでみました。
いかがでしたか。
全ての人が毎日運用している健康資産、
意識的に運用して、人生の最大化を図りましょう。
ドクれいでした。それでは、また。