こんにちは、ドクレイです。肥満の本当の原因は『インスリンの出過ぎ＝高インスリン血症』、『インスリンへの慣れ＝インスリン抵抗性』です。前回は高インスリン血症について説明させていただきましたので、今回はインスリン抵抗性について説明します。
『抵抗性』とは
インスリン抵抗性について説明をする前に、『抵抗性』について説明する必要があります。
抵抗性とは『生き物が自分自身を守るために、原因に対して抵抗する性質』です。
インスリン抵抗性で考えてみます。
インスリン抵抗性とは『ヒトが自分自身を守るために、インスリンに対して抵抗する状態』と置き換えることができます。
難しいですね。イソップ童話の（嘘をつく子供）を例に考えてみます。
羊飼いの少年は羊の世話をしています。少年は来る日も来る日も羊の世話ばかりで、飽き飽きしてしまい、村人たちにいたずらをします。
「大変だ。オオカミだ、オオカミが来たぞ。」
村人たちは騙されて、武器を持って出てきます。それを見て、少年は大笑いをします。そして、また時間がたってから同じいたずらをします。
「大変だ。オオカミだ、オオカミが来たぞ。」
村人たちは今度も騙されて、武器を持って出てきます。少年は、またもや大笑いをします。羊飼いの少年は楽しくて、このいたずらを繰り返します。
そして、本当にオオカミが現れました。少年は「オオカミだ」と叫びましたが、その時村人は誰も出てきませんでした。
少年が何度も何度も「オオカミだ」とウソをついていただの、村人たちは「オオカミだ」に慣れてしまっていました。だから、本当にオオカミが来ても村人たちはウソだと思って反応しなかったのです。つまり、村人たちには「オオカミだ」に抵抗性ができていたのです。「オオカミだ」抵抗性とは、村人たちが自分たちをウソから守るために、「オオカミだ」に抵抗する状態です。
これをインスリン抵抗性で考えてみると、
たくさんのインスリン（高インスリン血症）かつ、頻回のインスリン（食事の回数が多い、間食をする、ジュースを飲む）で、『ヒトが自分自身を守るために、インスリンに対して抵抗する状態』である『インスリン抵抗性』を認めるようになります。
『インスリン抵抗性』とは
図１：前回、高インスリン血症について説明をしました。簡単におさらいをします。ブドウ糖はエネルギーとして使われます。余ったブドウ糖は、肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。さらにたくさんのブドウ糖が余ると、ブドウ糖は脂肪に変換されて内蔵脂肪として貯蔵されます。さらにさらにたくさんのブドウ糖が余ると、ブドウ糖はさらに脂肪に変換されて脂肪肝や脂肪筋といった異所性脂肪として貯蔵されます。この余ったブドウ糖を貯蔵する過程にインスリンが作用しており、「ブドウ糖が余っている→インスリンの作用で貯蔵しろ」という命令が出ているわけです。つまり、余分なブドウ糖がある限り、インスリン、インスリン、インスリン、という命令が出続けているわけです。
図２：オオカミ、オオカミ、オオカミ、と言われ続け、村人たちは「オオカミ抵抗性」を持ち、「オオカミがきた」に反応しなくなりました。
インスリン、インスリン、インスリン、と言われ続けると、ヒトの身体は「インスリン抵抗性」を持ち、「インスリン」に反応しなくなります。
それもそのはずです。繰り返しですが、抵抗性とは『生き物が自分自身を守るために、原因に対して抵抗性する性質』です。たくさん出続けているインスリンに抵抗しないと、インスリンの作用により身体のあらゆるところに脂肪が貯蔵されてしまうからです。
図３：しかし、たくさんのインスリンから自分自身を守るためにインスリン抵抗性を発揮したとしても、さらにブドウ糖が入ってきてしまったら困ります。でも、私たちは簡単にお菓子やジュース、間食を止められません。ジュースを飲んだり、間食をしたりして、ブドウ糖はどんどんどんどん入ってきます。インスリン抵抗性があるからインスリンの効果は弱まっています。結果として、ブドウ糖が血管内に余ってしまう、すなわち高血糖になってしまいます。しかし、それでは糖尿病になってしまいます。糖尿病になってしまっては困るので、インスリン抵抗性を凌駕するように、さらにインスリンが分泌されるという悪循環が出来上がります。
高インスリン血症→インスリン抵抗性→さらなる高インスリン血症（＝さらなる肥満）
となるわけです。
インスリンはブドウ糖を貯め込む肥満ホルモンでした。インスリンの量が多い高インスリン血症が肥満の原因の一つです。そして、インスリン抵抗性があると、さらなる高インスリン血症を招き、肥満がさらに加速するわけです。肥満の本当の原因は『インスリンの出過ぎ＝高インスリン血症』、『インスリンへの慣れ＝インスリン抵抗性』です。
肥満を改善するため、減量するため、ダイエットをするためには、高インスリン血症を改善させること、インスリン抵抗性を改善させることが必要です。
健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の４つの資産より成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に、そして正しく健康資産を運用しませんか。全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に正しく運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクレイでした。それではまた。
