論文読んでみた 

コーヒー、それは最強の飲み物。

coffee

 こんにちは。ドクレイです。今回は、コーヒーについての2本のメタ解析の論文を読んでみます。具体的には”コーヒーと糖尿病について”、”コーヒーと脂肪肝について”、の2本の論文です。まずは、結論です。

「コーヒーには、糖尿病の予防効果がある!!」

「1日2杯のコーヒーを飲むと、糖尿病のリスクが15%減る。」

「さらに、1日6杯だと33%も減る。」

「コーヒーには、脂肪肝の抑制効果がある!!」

 これですね。もっと詳しく知りたいという方は、下記のリンクより、論文の本文をお読みください。コーヒーと脂肪肝については、以前に記事にしました。興味がある方はこちらも参照してくださいね。下記にリンクを貼っておきます。では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。

https://healthful-assets.com/the-effect-of-coffee-consumption-on-the-non-alcoholic-fatty-liver-disease-and-liver-fibrosis-20210924/ 

論文の紹介

1⃣コーヒーと糖尿病

タイトル:Caffeinated and decaffeinated coffee consumption and risk of type 2 diabetes: a systematic review and a dose-response meta-analysis

ジャーナル:Diabetes Care

発表年:2014

URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24459154/

2⃣コーヒーと脂肪肝

タイトル:The effect of coffee consumption on the non-alcoholic fatty liver disease and liver fibrosis: A meta-analysis of 11 epidemiological studies

ジャーナル:Ann Hepatol

発表年:2021

URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32920163/

論文の方法

 どちらの論文もメタ解析を行っています。メタ解析(meta analysis)とは、過去に行われた複数の研究結果を統合し,より信頼性の高い結果を求める統計解析手法のことです(実験医学online参照).つまり、メタ解析とは、①同じような研究を集める、②結果について解析を行う、③たくさんの論文から絞り出される本当の答えを出す、というものです。

結果と結論

1⃣コーヒーと糖尿病

 28の研究を集めて解析しています。健常人が約100万人、糖尿病の人が約4万5千人と莫大な症例数です。観察した期間の中央値は11年(最短10ヶ月、最長20年)。コーヒーを全く飲まない、またはほとんど飲まない人と比較して、糖尿病のリスクがコーヒーを1杯で8%、2杯で15%、3杯で21%、4杯で25%、5杯で29%、6杯で33%減少することがわかりました。つまり、6杯までなら飲めば飲むほど糖尿病のリスクが減るわけです。 

Dose-response analysis of the association between coffee consumption and risk of type 2 diabetes. For the overall association between coffee consumption and risk of diabetes, P < 0.001; for the goodness of fit of the model, P = 0.14; and for the likelihood ratio test compared with the nested linear model, P < 0.001.
Dose-response analysis of the association between coffee consumption and risk of type 2 diabetes. For the overall association between coffee consumption and risk of diabetes, P < 0.001; for the goodness of fit of the model, P = 0.14; and for the likelihood ratio test compared with the nested linear model, P < 0.001.

https://diabetesjournals.org/care/article/37/2/569/29536/Caffeinated-and-Decaffeinated-Coffee-Consumptionより引用しています。縦軸が相対リスク(RR)、横軸がコーヒーの量(杯)を表しています。コーヒーを飲むば飲むほど(図の右に行けば行くほど)、糖尿病のリスクが下がっています(図の下に向かいます)。また、この結果はカフェイン入りのコーヒーと、カフェインなしのコーヒーでも、同じでした。

2⃣コーヒーと脂肪肝

 7つの論文を集めて解析しています。症例数は約7万2千人です。コーヒーを飲まない人と比較して、コーヒーを飲む人は脂肪肝のリスクが23%減少していました。このメタ解析では、コーヒーの量についてや、デカフェのコーヒーについての検討はされておりませんでした。

面白い点や、気になる点

 コーヒーになんでこんな効果があるの?とみなさん思われると思います。コーヒーと言えばカフェインですよね。カフェインが糖尿病を予防したり、脂肪肝を予防したりしている思いますよね。でも、コーヒーと糖尿病のメタ解析では、デカフェのコーヒーでも同じように糖尿病のリスクを下げていたんです。

 コーヒーにはカフェイン以外にも、クロロゲン酸、カリウム、マグネシウム、ナイアシン、ジテルペン、リグナン、キニド、トリゴネリンなどを含んでいます。あまり馴染みのない化合物も出てきますよね。他の食品にも含まれていることがあるため、どの化合物が本当に効果を発揮しているのかを特定することは困難です。その中でも、コーヒーに豊富に含まれているクロロゲン酸が注目されています。クロロゲン酸は、ファイトケミカルであるポリフェノールの一種です。クロロゲン酸の抗酸化作用や、糖分の吸収抑制効果などが、糖尿病や脂肪肝のリスクの減少に寄与している可能性が考えられています。

 コーヒーの成分については、全日本コーヒー協会のホームページが非常に参考になります。https://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/facts/



 健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つの資産より成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に、そして正しく健康資産を運用しませんか。全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に正しく運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクレイでした。それではまた。