論文読んでみた 

運動と認知機能

walking

こんにちは。ドクれいです。

今回は、運動と認知機能についての論文を読んでみます。

 運動はカラダにいい!

 運動はボケ防止になる!

など、よく言われる内容だと思います。

でも、

 どのような運動がいいの?

 何分くらい運動すればいいの?

 毎日運動しなきゃいけないの?

など、知っておきたいことはたくさんあります。

まずは、結論です。

「50歳以上において、運動は認知機能の改善効果がある!!」

これですね。

もっと詳しく知りたいという方は、

下記のリンクより、論文の本文をお読みください。

では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。

論文の紹介

タイトル:Exercise interventions for cognitive function in adults older than 50: a systematic review with meta-analysis

ジャーナル:Br J Sports Med

発表年:2018

URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28438770/

この論文はPubMedから無料でDLできます。

興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。

論文を読む前に知っておきたいこと

論文を読む前に知っておきたいポイントを挙げておきます。

それは、

  1. FITTの原則
  2. 有酸素運動と無酸素運動
  3. レジスタンス運動
  4. 運動強度

これですね。

それぞれ簡単に解析していきます。

まず、①FITTの原則です。

FITTの原則とは、効果的な運動を行うための、4つのポイントです。

FITTという4つの文字は、

  • Frequency・頻度
  • Intensive・強度
  • Time・時間
  • Type of exercise・運動の種類

これらの単語の頭文字です。

つまり、運動を行う前に意識するべきことは、

  • どのくらいの頻度で運動をするのか
  • どのくらいの強度で運動をするのか
  • どのくらいの時間で運動をするのか
  • どんな運動をするのか

これらのことを意識すると、よりよい運動ができるというわけです。

次に、②有酸素運動と無酸素運動です。

読んで字の如く、

酸素を使う運動が有酸素運動で、

酸素を使わない運動が無酸素運動です。

有酸素運動には、

ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクス、サイクリングなどがあります。

室内でできるものには、踏み台昇降、ももあげ運動、ハーフスクワットなどがあります。

無酸素運動は、短距離走や、筋トレなどです。

次に、③レジスタンス運動です。

レジスタンス運動とは、resistance=抵抗

つまり、筋肉に抵抗・負荷をかける運動です。

椅子スクワット、腕立て、かかと上げ、横足上げなどがあります。

『健康長寿ネット』にレジスタンス運動について、詳しい解説があります。

ぜひ、参考にしてください。

URL:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/resistance.html

最後に、④運動強度です。

運動強度には、3つの方法で表すことができます。

METs(メッツ)、心拍数、自覚的運動強度です。

私自身としては、細かすぎる部分があるのでストイックに運動をしたい方以外は、そこまで運動強度を気にする必要がないのではないかと感じています。

『日本健康運動研究所』に運動強度について、詳しい解説があります。

興味がある方は、参考にしてください。

URL:https://jhei.net/exer/walking/wa02.html

論文の目的と方法

まずは、論文の目的と方法です。

運動は認知機能低下を予防したり、認知機能を改善したりすると言われてきました。

でも、本当なのでしょうか。

この質問に答えるべく、メタ解析をしたのが、今回の論文となります。

50歳以上の患者を対象とし、39研究の結果をメタ解析しています。

論文の結果

結果です。

『50歳以上でも、運動は認知機能を改善させる。』

『改善効果は、運動をする前の認知機能の状態に関係ない。』

(運動を始める前の認知機能が良いか悪いかは、関係がない、ということです。)

では、FITTの原則にしたがい、さらに考えてみたいと思います。

F・どのくらいの頻度か?

 週に何回でもよいが、可能な限り日数を多くする。

I:どのくらいの強度か?

 中等度以上の運動

T:どのくらいの時間か?

 1回あたり45分~60分

T:どんな種類の運動か?

 有酸素運動、レジスタンス運動、有酸素+レジスタンス運動、太極拳

 (日本で太極拳、あまり見ませんよね笑)

つまり、

1週間に可能限り、1回45分以上の、中等度以上の、有酸素運動またはレジスタンス運動をすると、

認知機能改善効果があり、認知症の予防になる、というわけです。

ドクレイの感想

いかがでしたでしょうか。

個人的には、『中等度以上の運動』というのが、けっこうあいまいなのではと感じています。

もちろん運動強度を正確に測定することは可能だとは思います。

しかし、日々運動する中で、

「今日の運動は、中等度くらいかな。明日は、高度の運動をしよう」

とは思わないと思います。

ウォーキングや、少し早歩きを意識したウォーキングをする程度でよいのではないでしょうか。

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ドクれいでした。それでは、また。