こんにちは。ドクれいです。
健康資産を意識的に運用していますか。
今回も食事資産における論文を読みます。
内容は、ズバリ、『脂質と体重』についてです。
論文タイトル
Low-fat dietary pattern and weight change over 7 years:
the Women’s Health Initiative Dietary Modification Trial
発表年:2006年
Journal:JAMA
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16391215/
基礎編では、シンプル、かつ、わかりやすく!!
応用編では、より深く、詳細に!!
健康資産に関連する論文を読みます。
今回は応用編のみです。
まず結論。
パッと読むための目次
脂質を減らしても、体重は減らない。
ダイエットのために、脂肪分を減らしていませんか。
脂肪はイヤだ
低脂質がいい
無脂肪がいい
そのように思っていませんか。
でも、
「ダイエットのために、脂質を減らす」
は間違いです。
具体的に見ていきましょう。
どのような研究か?(Problem・問題点)(Object・目的)
目的:
長期間の低脂質の栄養指導が、
体重に与える影響を検討する。
どのような方法か?(Subject・対象)(Comparison・比較)
平均年齢62.3歳、平均体重76.7~76.8kg、平均BMI29.1の
閉経後の48,835人を対象とした研究です。
(約5万人です!!)
約5万人を、無作為に
介入群:19,541人(約40%)
コントロール群:29,294人(約60%)
に分けました。
介入群には、
グループ面談、個人面談を行い、
脂質を減らし、野菜・果物・穀物を増やす栄養指導を行いました。
(ただし、体重減少やカロリー制限を目的としたものではありません。)
コントロール群には、
食事関連の教材のみを配布しました。
フォローアップ期間は7.5年です。
(5万人を7.5年間もみた研究です!!)
7.5年の低脂肪食は、体重を0.8kg減少させた (Conclusion・結論)
7.5年間も低脂肪食を続けたら、やせそうですよね。
実際には、0.8kgだけ体重が減りました。
一方、コントロール群は、0.1kgだけ体重が減りました。
あなたは、この結果をどのように思いますか。
具体的に結果をみていきましょう。
介入群(低脂質)は、
総カロリーが減り、割合としては脂質が減り、炭水化物が増えました。
一方で
コントロール群は、
総カロリーが減りましたが、脂質と炭水化物の割合は、変化がありませんでした。
JAMA, January 4, 2006—Vol 295, No. 1 Table2を引用・改変
つづいて体重の変化についてです。
介入群は、
1年後は-2.2kgと減少しましたが、
7.5年後には0.8kgだけしか、減少していませんでした。
コントロール群は、
1年後には、変化がなく、
7.5年後には0.1kgだけしか、減少していませんでした。
JAMA, January 4, 2006—Vol 295, No. 1 Figure2を引用・改変
低脂質の栄養指導は、
( グループ面談、個人面談。脂質を減らし、野菜・果物・穀物を増やす栄養指導)
7.5年間で、0.8kgの減量効果しかなかったのです。
結論です。
脂質を減らしても、体重は減らない。
いかがでしたでしょうか。
全ての人が毎日運用している健康資産。
正しく運用して、人生の最大化を図りましょう。
ドクれいでした。それでは、また。