論文読んでみた 

太ります!寝不足でも寝すぎでも。

 こんにちは。ドクレイです。今回は、睡眠不足と肥満との関連についての論文を読んでみます。寝不足だと太る、ということは有名な話ですが、1000人以上のデータを示して寝不足と体重との関係を見てみたいと思います。まずは、結論です。

「寝不足でも、寝過ぎでも、太る!!」

「BMIが最も低い睡眠時間は7.7時間の睡眠」

「睡眠不足で満腹ホルモンが減り、空腹ホルモンが増えるから」

 これですね。もっと詳しく知りたいという方は、下記のリンクより、論文の本文をお読みください。では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。

パッと読むための目次

論文の紹介

タイトル:Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index

ジャーナル:PLoS Medicine

発表年:2004

URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15602591/

論文の方法

 1024人のボランティアが参加している研究です。睡眠に関する質問や睡眠に関する日記などを書いてもらいます。この研究のすごいところは、睡眠ポリソムノグラフィーをやっていることです。詳しくは、ウィキペディア(Wikipedia)を参照していただけると幸いですが、大掛かりな検査です。下のイラストのような検査で、睡眠中に色々のモニターを装着します。

睡眠ポリグラフ検査

結果と結論

 まずは、睡眠不足とBMIとの関係です。縦軸がBMI、横軸が睡眠時間を表しています。BMIは数値が高いほど肥満となります。最もBMIが低いのは、睡眠時間が7.7時間と時でした。さらに、睡眠時間が7.7時間より短くても、長くても、BMIは増加します。

 つまり、睡眠時間が7.7時間の時にBMIが最も低い。睡眠不足でも、寝過ぎでも体重が増えるという結果でした。

睡眠不足でも寝すぎでも太る

 その理由は、満腹ホルモン(レプチン)、空腹ホルモン(グレリン)から説明されています。レプチンという満腹ホルモンが少ないと、満腹を感じにくい、お腹がいっぱいになりにくいわけです。グレリンという空腹ホルモンが多いと、お腹が空きやすいというわけです。睡眠時間とこれらのホルモンとの関係を見てみます。縦軸がレプチンまたはグレリンの量を、横軸が睡眠時間を表しています。

 睡眠時間が短いと、満腹ホルモンのレプチンが減り、空腹ホルモンのグレリンが増えています。つまり、睡眠時間が短いと、お腹がいっぱいになりにくく、かつ、お腹が空きやすくなってしまうというわけです。

睡眠不足はお腹いっぱいになりにくい、お腹がすきやすい

 無駄に夜遅くまで起きているとお腹が減ってしまい、つい夜食を食べてしまう、お菓子を食べてしまう、そんな経験がありませんか。寝不足だとやたらとお腹が空く、そんな経験ありませんが。睡眠不足がよくないことは、すでに当たり前のこととなっていますが、実際に発表されているデータと示して、解説させていただきました。

 上記のスライドの図はhttps://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.0010062よりダウンロードしてものを使用しています。

 睡眠資産は健康資産の一つです。睡眠資産に負債を抱えると、それは食事資産、運動資産、マインド資産にも影響を与えてしまいます。睡眠を削って勉強を頑張ることがカッコいい、睡眠時間を削って仕事を頑張ることが当たり前、そんな時代はもう終わっています。睡眠時間を確保すること、質のよい睡眠をすること、まずはこれらのことを実践しませんか。

 健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つの資産より成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に、そして正しく健康資産を運用しませんか。全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に正しく運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクレイでした。それではまた。