こんにちは。ドクレイです。今回はダイエットに一番効果のある食事療法について調べた論文を2本読んでみます。今回は2つの論文を紹介します。なぜ2本かというと、2本目の論文は1本目の続編だからです。1本目の論文は低脂肪食、地中海食、低炭水化物の3つの食事療法を2年間で比較したものです。2本目の論文は、その4年後、つまり研究が始まって6年後に体重がどうなったかを調べた研究になります。まずは、結論です。
2年後の体重は
「低脂肪食-2.9kg、地中海食-4.4kg、低炭水化物食-4.7kg!!」
6年後の体重は
「低脂肪食-0.6kg、地中海食-3.1kg、低炭水化物食-1.7kg!!」
これですね。もっと詳しく知りたいという方は、下記のリンクより、論文の本文をお読みください。では、論文の紹介、解説などをさせていただきます。
パッと読むための目次
論文の紹介
論文①
タイトル:Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet
発表年:2008
URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19009669/
論文②
タイトル:Four-year follow-up after two-year dietary interventions
ジャーナル:N Engl J Med
発表年:2012
URL(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23034044/
どんな研究か
この試験の参加者は太っている中年男性がメインとなっています。
食事については、①低脂肪食・カロリー制限あり、②地中海食・カロリー制限あり、③低炭水化物食・カロリー制限なしの3つを比較しています。カロリー制限のある①と②の食事では男性1日1800kcal、女性1日1500kcalのカロリー制限を指導しています。地中海食は、豊富な野菜と牛肉やラム肉の代わりに魚や鶏肉を使用します。また、脂肪はオリーブオイルやナッツ類から摂取することが推奨された食事です。
2年間の研究
1つ目の論文は2年間の試験を行いました。参加者は322人。平均年齢は52歳、平均BMIは31、男性が85%でした。
2年後の体重変化の結果です。①低脂肪食・カロリー制限ありでは、-2.9kg。②地中海食・カロリー制限ありでは、-4.4kg。③低炭水化物食・カロリー制限なしでは、-4.7kgでした。体重が数字上で最も減ったのは、③の低炭水化物食・カロリー制限なしでした。この結果をみてみると低炭水化物食がいいのかと思ってしまいます。しかし、2年間食事療法をしっかり守ることができた割合(遵守率・じゅんしゅりつ)をみてみると、①低脂肪食・カロリー制限では90.4%、②地中海食・カロリー制限食では85.3%であったのに対して、③低炭水化物食・カロリー制限なしでは78.0%だったのです。③低炭水化物食・カロリー制限なしは、体重は減るけど、続けるのが難しい可能性があるわけです。
6年後の体重変化
2つ目の論文は2年間の研究が終わってさらに4年後、つまり食事療法を開始して6年後の体重変化を見ました。参加者は259人と減っています。その67%は食事療法を継続し、11%は別の食事療法を行っていましあ。22%の人は、食事療法をやめてしまっていました。6年後の体重はどのようになっていたでしょうか。
6年後の体重変化です。①低脂肪食・カロリー制限ありでは、-0.6kg(2.3kgリバウンド)、②地中海食・カロリー制限ありでは、-3.1kg(1.3kgリバウンド)、③低炭水化物食・カロリー制限なしでは、-1.7kg(3.0kgリバウンド)でした。つまり、6年後に体重がもっとも減っていたのは、②地中海食・カロリー制限食だったのです。
この研究からわかること
この論文は約300人と決して人数が多いものではありません。また、男性が80%以上となっており、全ての人に当てはまるものでもありません。しかし、どの食事療法も2年間という期間では体重減少ができたものの、6年間をみた場合にはリバウンドしてしまうことがあるという結果でした。これまでの多くの研究は半年から1年間という期間がほとんどであったように思います。半年後に体重が減っていたからこれがいい、1年後に体重が減らなかったからあれはダメ、などのように短期間で体重の増減を物語ることは非常に難しいということが改めて認識できる研究でした。
健康資産は、全ての人が毎日運用している資産です。食事資産、睡眠資産、運動資産、マインド資産の4つの資産より成り立っている資産です。どれか一つの資産にでも負債をかかえると、健康資産のバランスが崩れます。日々の生活の中で、意識的に、そして正しく健康資産を運用しませんか。全ての人が毎日運用している健康資産。意識的に正しく運用し、人生の最大化を図りましょう。ドクレイでした。それではまた。